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無実の始人
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君がいて 八話






黒は彼女の色

そして、

絶望の色






追記より「君がいて 八話」
***********
君がいて 八話
***********





「フェイトちゃんっ!」
赤にまみれた彼女の肩を抱く。


私の背にはバクバクと、血液が流れているのだが、それを今は寒気としか感じることができない。







私は、どうすればいいのだろう?










感覚はこんなにはっきりしているのに、頭の中は真っ白だ。
「助けなくちゃ」と思っているのに、苦しんでいるフェイトちゃんを見ている事しかできない私。





彼女の死を止められない自分と、今やれることがあるのに思い出せない自分に、
腹が立つ。




「な…の……は。」

フェイトちゃんの声がする。


無言で見つめ返すことで返事をすると、
彼女はグっと顔を歪めてからつづけた。



「痛い……よ。っ…苦しいよ……っ!」






普段、こんな事を絶対言わないフェイトちゃんが、精一杯の声で叫ぶ。
彼女に頼られたい私が、今まで彼女の口から聴きたかった言葉を…



いつも無理して、私や周りを心配させて…
ちょっと、言ってもらうだけでもかまわないのに、一回も聞かせてくれなかった一言。





こんな時に言うなんてちょっとズルイな…。





でも






「大丈夫。」







私は、フェイトちゃんを抱えて立ち上がる。













今、助けるよ。























ピンクの光が公園から溢れ出した。




***********




難しい顔をしたフェイトちゃんの担当の先生、そして、マリエル技官。

真白な診察室の中、私たちは2対1で対峙していた。




「高町さん。」




もう言われることはわかっている。





「ハラオウンさんのことなのですが…」





今、病室でたくさんの管につながれているフェイトちゃんの姿が頭をよぎる。
とりあえずの処置しかしてもらえない彼女。


「すいません。私たちも、あぁいった患者さんは見たことがないんです。もう、禁術になってしまった技術を使って造られた方ですので…。」



ですから、やれることは特別ありません。
もう、どうしようもないんです。


私はそう続くように聞こえた。














さっきから黙っていたマリエル技官が口を開く。


「なのはちゃん、私達もフェイトちゃんを救うために頑張ってるの。だけど………」
「マリエルさん。」






私が傷つかないような言葉を一生懸命探している彼女に、呼びかける。





「もう…結構です。」


口をグッとむすび、膝に置いた手を握りしめた。
「先生、はっきり言ってください。そっちの方が楽ですから。」





















はりつめた空気が部屋を流れる。
マリエルさんは先生を心配そうに見つめ、先生はじっと地面を凝視していた。







やがて…






「…申し訳ございません。」
頭のてっぺんが見えるくらい深々と頭を下げた。
「もう、これ以上の処置はできません。これは、どこの病院でも一緒です。それと」















心臓がうるさい。












「私たちも、これ程まで進行が早いと思わず、こないだは余命半年とお伝えしましたが…」



















「もう二週間もつかどうか…」

































ロスタイムの宣告。



血液がサラサラと体中を流れていく感じ。









生きている心地がしなかった。











私には、絶望以外の感情を感じることができない。





私は今、絶望だけで構成されている。






純粋な絶望


純粋な黒


ありとあらゆるものを飲み込む











































「ありがとう…ございました。」
私は、フラリと椅子から立ち上がる。



目下に見えた、先生とマリエル技官は俯いていた。











私だって俯いてないのに。







ナニガ、コノ人達ヲウツムカセテルノ?








私?


フェイトちゃん?


それとも、両方?












頼むから下を向かないでください。







頼むから、同情するような顔しないでください…っ!







































「すいません……これで、失礼してもいいですか?」
すべての感情を飲み込んで、私は尋ねた。


「えっ、あぁ…いいですよ。ハラオウンさんの側にいてあげていださい。」




「ありがとうございます。それでは失礼します。」


















そういって、私は診察室をでた。
勢いよくならないように、ゆっくりと最後の最後までドアノブに手をかけて完全に閉まるの確認する。
























そして、私は走り出した。





























ポニーテールをなびかせながら、患者さんの間をすりぬけ、階段を上る。















彼女の部屋まで一直線。















途中、『走らないでください』と注意されたが、
私から流れるものをみて、その人はそれ以上なにも咎めなかった。





































(私に触れるな


きっと、いまの私は傷つけるから




フェイトちゃん以外はみんな傷つけちゃうから





お願いだから、私に触らないで…っ)
















*****************













気づいたら、私はフェイトちゃんのベッドの横で、優しさを求めるように彼女の手を握りしめていた。

ピッピッと無機質な音が彼女が生きてることを示している。

閉めてあるカーテンからはうっすらとした光が見える。

明け方近くだ。

いったいどのくらい時間がたったのだろう?

見回りに看護師さんもきたはずなのに、全く気付かない私って…
















彼女はまだ眠っている。








私も少し寝よう。







ずっと手を繋いだまま、





彼女が目覚めるまで
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COMMENT

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キリル | URL | 2008/06/27(金) 13:24 [EDIT]
あぁ・・・この先の展開を予想したくないです(汗
彼女は助かるのかな?いや、助かってほしいと自分は思います(汗
次も気になるところです、いろんな意味で(汗

吉野 | URL | 2008/06/29(日) 20:52 [EDIT]
返事遅くなってすいません。
いつも、ご観覧ありがとうございます★
一応、この先は禁則事項ですv
ただ、これまでも元ネタを無視した部分があるので、もし元ネタを知っていらっしゃっても、そうならない可能性もあります。

それでは、次回もお楽しみに♪じゃーんけーんポン!ウフフフフフフv

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