FC2ブログ
無実の始人
百合ん百合んな小説サイトwメインはリリカルなのは  苦手な方は華麗にターン
DATE: --/--/--(--)   CATEGORY: スポンサー広告
スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
page top
君がいて 六話
時間なんて進まなくていい。
あなたと一緒にいられる時間が

私の笑顔の理由だから




追記より、「君がいて 六話」
**************
君がいて 六話
**************


それから、あまり変わったことはなく一ヶ月とちょっとが過ぎようとしていた。


病院で姓名判断の本をいつまでもみているフェイトちゃんに呆れながらも、嬉しさを感じたり、
看護士さんや、周りの患者さんに子供ができたと幸せそうに報告している彼女を、遠くで眺めていたり
もう、一人の体じゃないんだからと、今までより早く帰そうとする彼女に、なんでいつも自分のことは二の次なんだと心の中で思ったり・・・



何も、特別なことはない。




ただ、時間が流れていった。






それと比例して私のお腹は、徐々に大きくなり、




そして、フェイトちゃんは痩せた。


***************


フェイトちゃんの一時帰宅の日、私達は海鳴の街を久しぶりに訪れた。
転送ポートである、すずかちゃんの家の庭に二人で降り立つ。




そこは、10年前と全く変わることなく存在していた。
その頃と違ったことといえば、今、私とフェイトちゃんが手を繋ぎあっているということくらい。
初めて出会ったこの場所で、






ー私達が手を繋ぎあっていることくらい








「答えても、たぶん意味がない。」
ボソッと、笑いながらフェイトちゃんは呟く。
つられて私も笑ってしまった。
「懐かしいね、その言葉。」
「うん。」
まだ、私達は笑っている。
「最初からそんな事決めつけちゃいけないんだよね。」
彼女は、あの時立っていた電柱を見つめていた。
「伝える事に意味があるのに。」













そうそう、当たり前のようにあったから忘れていたが、あの頃の私達と違うことがもう一つ。


ほんと、決定的な違い。











彼女が笑っていることだ。









*********





それから私達は、すずかちゃんと、たまたま遊びにきていたアリサちゃんに挨拶して、海鳴の街に出た。
まずは、それぞれの実家に挨拶し、その後私が魔法と出会った場所、ビル街、海鳴り温泉など、10年前を巡った。



そして、もちろん最後は海鳴公園。






そこで出会った夕暮れの空は、私に中学2年のあの日を思い出させた。






*************





太陽の半分も海の中へ沈み、風も日差しもやわらかくなった。
しかし、今、目の前にいるフェイトちゃんは、ガチンと顔を固まらせて顔を俯かせている。
「どうしたの、フェイトちゃん。こんな所に来てほしいだなんて。」



嘘つき。
わかってるくせに。
どうしてこの子がこの場所に呼び出したのか
わかってるくせに。




しばらくの沈黙。そして…
「私は…、私はこの場所でなのはに救ってもらった。」
彼女の手は、握り締められていた。
「ここでなのはの名前を初めて呼んだ。名前を呼んでって言ってくれたから…」
「うん。フェイトちゃんが言葉で勇気を示してくれたからね。『友達になりたい』って。」
フェイトちゃんのはにかんだ頬に、夕暮れの朱がさす。
「だから、この場所じゃなきゃ嫌だったんだ。今の、私の気持ちを伝えるの…」






私は、あの日なのはの魔法にかけられた。
絶対に、死ぬまで解けない魔法。
名前を呼ぶだけで、なのはが近くに居るってわかるんだ。
それでいて、自然と嬉しくなる。
心臓がバクバクいう。

でも、いつからかなのはに対しての気持ちが、ただの友達としてみてるんじゃないってわかった。
これは、恋なんだって。
私の中では、最初そんなはずないって思ってたんだけど、
なのはが居ない日とか、
なのはが私の知らない子と話してるときとか、
ずっと、不安で仕方なくなって…



私の気持ちをちゃんと、わかってあげれたんだ。



それで、なのはの気持ちも知りたくなった。
私と一緒の気持ちならいいな、とか思った。




私は…なのはが好き。






よかったら、なのはの答えが欲しい。









真摯な瞳は、私に訴えかけた。
彼女は言い切ってから、ずっと黙って私を見ているだけ。



答えは、決まってるよ。
だから、そんな寂しい目をしないで。










「もう一つ、魔法をかけてあげるよ。」
「?」
「今までのより強力なのに、同じくらいやさしい魔法」










温かい夕暮れの色が、私たちを塗りかえる。






「『愛してる』の魔法。」
「それって…」
「言うと強くなれる。言われると天に昇れるくらい幸せになれる…

















魔法だよ。」



















フェイトちゃんは、つまり私が何を言いたいのかわかったわかったようで、
パズルのラスト1ピースをはめる子供のように笑っていた。






「私も、フェイトちゃんが好きです。」
オルゴールのように言葉が優しく響く。
「愛してます。」
澄んだ風が、私たちの間をすり抜けていった。



********

前文でいつもの吉野らしくないと思った人挙手ノ
スポンサーサイト
[ TB*0 | CO*0 ] page top

COMMENT

 管理者にだけ表示を許可する

TRACK BACK
TB*URL
Copyright © 無実の始人. all rights reserved. ページの先頭へ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。