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無実の始人
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あなたを探しに 17話




翼が折れた






追記より、「あなたを探しに17話」






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あなたを探しに 17話
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春が来た。









なのは達の記憶が無くなって8か月。なのはが車にひかれてからは3か月。


なのはの目は開くことのないまま、サクラの花がなびいていった。









開かないとはいっても、死んでいるわけではない。手術は成功したし、なのはにつながれたコードの先の機械には脈拍58と安定した数字がでている。


ただ瞼をあけて、おはよう、と言ってくれないだけだ。




そう、言ってくれないだけなのに…
「はぁ……」
どうしようもないほどに……悲しくて仕方ない。







「フェイトママ?」
白い霞むようななのはの病室で、ベッドの横に座りながら溜息をついているフェイトに後ろにいたヴィヴィオの心配そうな声がかかった。
時間が許す限りはこうやっていつもなのはの隣にフェイトはいるため、こうしたヴィヴィオの顔をみる機会が増えてしまった。
「いつもため息ついてるから…大丈夫?」

「大…丈夫」

泣きそうな顔で、娘に苦しそうに微笑む。そんな顔をみて、ヴィヴィオはますます苦い表情になった。

「大丈夫…だよ」

まるで、その言葉は自分に言い聞かせているようで。いつ目を覚ますかわからない彼女を待つ自分を奮い立たせるようだった。
ベッドの横に飾った家族写真…なのは、ヴィヴィオ、フェイトが写ったその一枚の紙が、今の自分を嘲笑っているようだ。



この笑顔を、また未来の自分は護れなかったんだねって。










「フェイトママ、何か飲みたいものある?なにか買ってくるから」
そういって、何も乗っていない両手を合わせてフェイトの方に差し出すのをみると、気づかいはできるがまだまだ子供だと思う。
「コーヒー…がいいな」
そういって、空の手のひらにフェイトは二人分のジュース代が買える程度の硬貨を置いた。
そう、ヴィヴィオが手を差し出したのは、ただ単にお金がなかっただけである。
彼女は、そのひんやりとした硬貨を握り締めると「ちょっと待っててね」といって、廊下へとでていってしまった。







「なのは…、ヴィヴィオっていい子だね」


部屋に残されたフェイトは、一人ゆっくりとベッドの方へ向き直す。

開かないその口へ。聞こえていないその耳へ。
起きていなくてもいいから、目の前の彼女をうっとりするように投げかけた。


「ヴィヴィオね、なのはが手術してる時に記憶を取り戻したんだって…少しだけだけど」



そう、あの日なのはの手術中に記憶を取り戻したらしいヴィヴィオは、翌日技術開発部のマリーさんも立ち会いの上で至急検査をおこなった。
おそらく、なんらかの魔法のパスがなのはと通じていたらしく、なのはが一度心停止したことによりヴィヴィオへのロストロギアの効力も少し弱まったのだとマリーさんは言う。
しかし、本人が実際に心停止したわけではないので”少し”記憶を取り戻した程度。
その少しにフェイトとの記憶が少しでも入っていたのは幸運だった。



「ちゃんと、フェイトさんじゃなくてフェイトママって呼んでくれるんだよ。長い間、”さん”の方に慣れてたから…少し変な感じかな?」
クスクスと笑うフェイトに、表情の変わらないなのは。

いつしか、フェイトの笑いもピタリと止まってしまった。





「ねぇ、なのは。起きてよ」

届くことのない感情。それが涙となり、頬を伝って手の甲に落ちる。


「なのはのこと護れなくて本当に…私くやしくて…」

苦しくて。


「私は…なのはのことをいつだって護れる完璧には人間じゃないから…」

プレシア・テスタロッサの顔が思い浮かぶ。
彼女のそばにいたから自分は知っているんだ。人間、完璧にはなれないんだって。


「だから、私は寄りかかれる人が側にいないと辛いんだよ…なのはっ」
顔をシーツにつけると、すぐにその乾いた布は湿気の帯びた。







しかし、
涙を流しても希望は捨てていない。
なのはは、まだ目を覚まさないだけで死んではないのだ。

いつか起きる。そう信じている。

だけど…









私はなのはの白い翼をもいでしまった。











起きてもまた…

彼女が空は飛ぶことはない。




















「下半身不随…ですか?」
「ええ」
なのはの術後、最初に訪れた医者の部屋だった。

いろんな骨の模型もあれば、複雑な魔法陣の書かれた大きい書籍も並んでいる。
その中で、医者は3Dモニタに脊髄の映像を出してドンドンアップさせていった。

「これが…高町一等空尉が12歳のころにおった傷です」
どうやら数年前のなのはの脊髄の様子らしい。記録でもとってあったのか、まだフェイトでもよくわかるくらい傷がくっきりと残っていた。
医者があるボタンを押すと、今度は隣に先ほどのよりも少し大きめの脊髄の3Dが現れた。


「そして、これが今回の傷です。ちょうど、前に負った傷のところにかけてバンパーの破片が食い込み……なんといいますか…その…運動に大事な神経を傷つけてしまっています」
専門用語を使うのをためらった後に、フェイトにもわかりやすく説明した。

放心状態のフェイトはうんともすんとも答えることなく、また頷くこともなく、呆然とその話を聞いているだけだった。血のけがひき、変わらない表情に、それでも真実の追いうちがやってくる。




聞きたくないと思っても、手を動かすことさえできなかった。体が金縛りにあっているよう、気力さえおきない…その辺りをごちゃごちゃに混ぜたようだ。
次の言葉はなんとなく想像できていた。


「高町さんは…」


汗をかくほどの熱気が手のひらに閉じ込められた。








「もう歩くことはできないでしょう」







罪悪感が血に代わって、体中を駆け巡った。
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| | 2009/03/02(月) 07:24 [EDIT]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
● ある種BAD END
魔ぎゅなむ | URL | 2009/03/02(月) 20:25 [EDIT]
 だけど、僕はこれ以上のものをしっています。でも、内容があまりにも~なので、反転します。
 ヒロインは病弱でいつも薬が手放せない身体が小さな女の子。
 彼女は残り少ない余命で学生生活を満喫するために試験編入に参加していました。
 もちろん主人公達はその事を知りません。
 最初は生きる事を諦めていた彼女も、主人公と仲良くなり「幸せ」を知ってしまった事で「死にたくない」と思うようになります。
 しかし、無情にも病状は悪化。試験編入期間の終了を待たずに再び入院してしまいます。
 最後は「もう一度2人で星を見よう」という約束を果たすため、
主人公と2人で病室を抜け出し「約束の場所」に向かいますが、
結局「約束の場所」にたどり着く前に主人公の背中で息を引き取ってしまいます。
 それから数日後、沈んでいる主人公のPHSに1通のメッセージが届きます。
 それは事前に彼女が「予約送信」した再び逢える事を願う、彼女から主人公への告白メールでした。
 そして、そのメールには最後にこう書かれていました。「また会えるといいね」

 という内容のものです。だから、対抗意識は燃やしちゃダメですよ(汗
 でも、この調子ならば、Happy ENDは無理でもGood ENDにはなるやもしれませんね。
 まぁ、それでもどうにか、Happy ENDが望ましいですけどね(苦笑
 まぁ、とにかく、続きも期待しています。
 それでは、これからも頑張って下さい。応援しています。では、また。

吉野 | URL | 2009/03/04(水) 22:08 [EDIT]
>~~~~~ッ!!…様♪

ちょwwww青いお兄さんデタコレ!wwwwww
ちなみに、私はSの皮をかぶったMらしいですwww(先輩談

もうフェイトさんのギリギリを試しているssにしかみえなくなってきたなんて、作者自身が思ってなんかい、いないんですからねっ!←無駄なツンデレw
大切な人が傷ついていくのに、自分は何もできなくて、健康でいるなんて、やはり辛いことですね…><
もう少し、作者がフェイトさんに優しry

なのはさんははたして目覚めるのでしょうか!

素敵コメントありがとうございました♪



>まぎゅなむ様♪

あ~、これもなかなかのBADENDですね…><
せっかくですし、対抗意識燃やしちゃいまry(殴
すいませんw冗談ですwwwww
ハッピーエンドになるかグッドエンドになるかバッドエンドになるか…まだまだ判断しにくいかと思いますっ
最後まで緊張感に囚われながらということで(*´∀`*)

素敵コメントありがとうございました♪

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